こんにちは!しゅうママです。子育てを卒業して、低山ハイキングを楽しんでいます。
山で怪我した時って、どうすればいいのかしら?
山登りは素晴らしい体験ですが、都市部とは異なり、急なケガや体調不良が起こった際にすぐに医療機関にかかることが難しい環境です。
だからこそ、万が一の事態に備えて「ファーストエイドキット」を携行し、適切に使えるようにしておくことが非常に重要になります。
・初心者さんが最低限備えるべきアイテムと選び方のポイント
初心者だからこそ、自分に合った「最低限」を準備し、「使える」状態にしよう
登山初心者でも「自分に合った」最低限のファーストエイドキットを準備し、いざという時に「使える」ようにしておくことが極めて重要です。
【準備する理由】山でのリスクを軽減し、命を守るために不可欠だから
山では転倒による外傷や打撲、気圧変動による体調不良など、様々なトラブルのリスクが常に存在します。
家や街中ではなんてことないようなことでも、登山中だと大きな問題となる可能性があるわね。
ファーストエイドキットに入っている緊急応急処置用品は、医師による処置までの症状悪化を防ぎ、ケガや病気の症状を少しでも和らげることが期待できます。
また、すぐに処置を行うことで、重篤な状態になる可能性を少しでも減らし、助かる命を救うことに繋がるのです。
市販のファーストエイドキットは便利だけど、全ての人に万能というわけではないよ。
自分の行く場所、季節、アクティビティ、そして自身の救急能力に合わせて中身をカスタマイズすることが、効果的な準備の前提となります。
初心者さんが最低限備えるべきアイテムと選び方のポイント
では、具体的にどのようなアイテムを準備し、どのように選べばよいのでしょうか。
① 最低限揃えたい基本アイテム
② ケース選びのポイント
③準備と活用のコツ
1. 最低限揃えたい基本アイテム
登山中の軽症なケガには、以下のアイテムを揃えておくと良いよ!
傷の処置用品
水を通さない手袋
血液などによる感染症リスクから、ケガをした人とケアをする人双方を守るために必須です。100円ショップで手に入る調理用手袋などでも代用できます。
洗浄用の水
傷口をきれいにするために清潔な水は不可欠です。飲料水とは別に500ml程度のペットボトルを持参すると安心です。
ペットボトルの蓋に穴を開けたものを用意しておけば、ピンポイントに水圧をかけて傷口を洗浄でき、水の節約にもなります。
最近では、傷口の消毒よりも水での洗浄が主流とされています。
絆創膏・湿潤療法用絆創膏
小さな傷や靴擦れのケアに。傷口から出る体液の回復力を利用する湿潤療法用絆創膏もおすすめです。
シートタイプであれば、傷の大きさに合わせて調整できて便利です。
滅菌ガーゼ
傷の保護や止血に使用します。手ぬぐいやハンカチでも代用できます。
サージカルテープ
ガーゼの固定や突き指の固定など、様々な用途で活躍します。
ハサミ
ガーゼやテープ、ポリ袋などをカットする際に役立ちます。小さいものがあると便利です。
綿棒
傷についた砂などの異物を取り除く際に使用します。
ポリ袋
傷口の乾燥防止(ワセリンと併用)や、使用済み手袋などのゴミ袋としても使用できます。
痛み・腫れ・捻挫の処置用品
包帯+固定用テープ
止血、ガーゼ固定、患部の保護・固定に利用します。幅広の包帯は、肋骨骨折の固定に役立った事例もあります。
テーピング
ガーゼの固定や捻挫での手足の固定に有効です。登山靴のアウトソールが剥がれた際の応急処置にも使えます。
知識がなくても使えるプレカットタイプも販売されています。
安全ピン
捻挫や骨折した腕を固定する際に役立ちます。
ワセリン
傷口に塗ることで乾燥を防ぎ、湿潤療法をサポートします。
虫刺され対策(あれば便利)
ポイズンリムーバー
蜂やアブ、蛇に刺されたり噛まれたりした際に、毒を吸い出す道具です。刺された直後に使えるようにしておくと良いでしょう。
軟膏(ステロイド系)
虫刺されや植物によるかぶれに用います。初めて使用する薬剤は避け、普段使い慣れたものを選びましょう。
体調不良・防寒対策
常備薬/内服薬
鎮痛剤、胃腸薬、風邪薬、目薬など、普段から飲み慣れている個人用の薬を必ず持参してください。
薬機法により、他人に薬を与えることはできないため、自分に必要な薬は必ず自分で用意しましょう。
エマージェンシーシート
体温低下を防ぐために体に巻き付けることで、低体温症を防ぐことができます。ツェルト(簡易テント)と併用すると、さらに効果的です。
使い捨てカイロ
胸やお腹に当てることで、体を温める熱源となります。
経口補水パウダー
脱水症状時の水分補給に非常に便利です。スポーツドリンクよりも塩分濃度が高く、脱水の回復に適しています。
その他(あると安心)
ホイッスル
遭難時や緊急時に助けを呼ぶ際に役立ちます。
説明書・応急処置ガイド
緊急時にとるべき行動や備品の使い方が記載された説明書があると、パニック状態でも落ち着いて対処しやすくなります。
ヘッドライト+予備電池/モバイルバッテリー
夜間の移動や緊急時の照明、GPSなどでスマートフォンを使用する際に不可欠です。
食料(カロリーメイトなど)
長期保存が可能な行動食を、緊急時の栄養補給として準備しておくと安心です。
2. ケース選びのポイント
中身と同じくらい、ケースの機能性も重要だよ。
耐水性/防水・撥水加工
雨や泥から中身を保護できる、丈夫なケースを選びましょう。防水加工が施されていても水が染み込む商品もあるため、事前の確認が大切です。
目立つ色
緊急時にリュックの中ですぐに見つけられるよう、赤やオレンジなどの暖色系のケースがおすすめです。
持ち運びやすさ
軽量でコンパクトなものが良いでしょう。重さ200~300g、容量1.2~1.4L程度が目安とされています。
機能性
フルオープンタイプ
広げた時に両面の中身がすぐに見えるケースは、慌てる状況でも必要なアイテムを素早く取り出せるためおすすめです。
収納ポケット
薬などを整理して収納できるポケットがあると便利です。
クッション性
転倒などの衝撃から中身の備品を守るために、クッション性のあるケースを選ぶと良いでしょう。
カラビナ付き
リュックの外側に吊り下げて持ち運べるカラビナ付きのケースもあります。
3. 準備と活用のコツ
ファーストエイドキットは、ただ持っているだけでは意味がないのよ。
カスタマイズを前提に選ぶ
市販のキットはあくまで基本です。自分の行く場所や起こりうるケガ、持病などを考慮し、必要なものを追加してカスタマイズしましょう。
使用方法を習得する
備品の使い方はもちろん、虫刺されや傷、骨折への対処など、基本的な応急処置の知識と技術を事前に勉強することが重要です。
山岳医療救助機構や一般社団法人ウィルダネス メディカル アソシエイツ ジャパンなどが開催する講習会に参加し、知識とスキルを身につけることも強く推奨されています。
定期的に中身をチェックする
包帯や消毒スプレーなどの消耗品、そして薬には使用期限があります。最低でも年2回はキットの中身を確認し、必要に応じて新しいものと交換しましょう。
知識と準備で、安全な登山を
ファーストエイドキットは単に物を詰めるだけでなく、自身の知識とスキルと連携して初めてその真価を発揮します。
初心者だからこそ、まずは最低限必要なものから揃え、正しい使い方を学び、安心して山を楽しめるように準備しましょう。